「副業を始めたいけど、本業が忙しくて時間がない」——SNSでもGW前後になると、この声が毎年のように繰り返されます。

ただ、月単価のレートで言うと、副業で月20万〜50万を実現している人たちの大半は、特別に暇なわけではありません。私自身、Web系の自社開発企業でフルタイム7年間働きながら、副業を月50万まで育てました。使ったのは「朝と夜の合計4時間」だけです。

この記事では、副業の時間がないと感じている会社員の方に向けて、私が実践した時間捻出の方法と、無理なく継続するためのスケジュール設計のコツをお伝えします。

「時間がない」の正体は時間の見える化不足

副業を始められない人に共通するのは、自分の1日の時間配分を正確に把握していないことです。

私も副業を始める前は「仕事で疲れて帰ったら何もできない」と思っていました。でも、実際に1週間だけ時間を記録してみると、帰宅後にSNSやYouTubeに使っている時間が1日平均2.5時間もあったんです。

これは珍しいことではありません。総務省の「社会生活基本調査」によると、日本の有業者が平日にテレビやスマートフォンなどのメディアに費やす時間は平均2時間以上とされています。この時間の一部を副業に充てるだけで、週10〜15時間の作業時間が生まれます。

まずやるべき「1週間タイムログ」

時間を捻出する第一歩は、自分の時間の使い方を1週間だけ記録することです。

  • 起床・就寝時間
  • 通勤時間(片道・往復)
  • 勤務時間(残業含む)
  • 食事・入浴・家事の時間
  • SNS・動画・ゲームなどの「なんとなく時間」

営業時間あたり時給を計算する習慣がある私は、この「なんとなく時間」を時給換算していました。たとえば副業の時給が5,000円なら、SNSに毎日2時間使うことは「1日1万円を捨てている」のと同じ。この感覚が、時間の使い方を根本から変えてくれます。

月50万エンジニアの「朝夜2ブロック制」タイムスケジュール

私が副業時代に使っていたスケジュールは、朝5時〜7時と夜22時〜24時の「2ブロック制」です。

平日のタイムスケジュール

時間帯内容
5:00〜5:15起床・コーヒー準備
5:15〜7:00【副業ブロック①】コーディング・納品物の作成
7:00〜7:30朝食・身支度
7:30〜8:30通勤(電車内でSlack対応・タスク整理)
8:30〜18:00本業
18:00〜19:00退勤・帰宅
19:00〜21:30夕食・入浴・自由時間
22:00〜24:00【副業ブロック②】クライアント対応・見積もり・軽作業
24:00就寝

ポイントは、朝ブロックを「集中が必要な作業」、夜ブロックを「コミュニケーションや軽作業」に分けていたことです。朝は脳が最もクリアな時間帯なので、コーディングや設計などのクリエイティブワークに充てていました。

土日のタイムスケジュール

土日は午前中に3〜4時間だけ集中して作業し、午後は完全にオフにしていました。副業の継続率は、休息の確保と直結します。土日をフルで副業に充てると、1〜2ヶ月で確実に燃え尽きます。これは私自身の失敗から学んだ教訓です。

副業時間を生み出す3つのコツ

コツ①:「やらないことリスト」を先に作る

時間を作るために新しいことを始めるのではなく、まず「やめること」を決めてください。

  • 平日夜のダラダラSNS → 1日30分に制限(スクリーンタイム機能を活用)
  • 惰性の飲み会参加 → 月1回まで
  • 通勤中のゲーム → 副業のタスク整理やインプットに切り替え

「何をやるか」より「何をやめるか」を先に決める。これだけで週5〜10時間が浮きます。

コツ②:副業専用の「トリガー」を設計する

意志力に頼らず、習慣の力で副業を続けるためには「トリガー」が有効です。

私の場合、朝起きたらまずコーヒーメーカーのスイッチを入れ、コーヒーが落ちるまでの3分間でPCを起動してエディタを開く——という一連の動作をルーティン化していました。この「コーヒー=副業開始」のトリガーを作ったことで、朝5時の作業開始に意志力をほとんど使わなくなりました。

コツ③:月末10分の「時間棚卸し」で調整する

3ヶ月平均の月商や営業時間あたり時給を毎月計算する習慣がある中で、同時に「時間の棚卸し」も行っていました。

具体的には、月末に10分だけ以下を振り返ります。

  • 今月の副業稼働時間は合計何時間だったか
  • 時給換算でいくらだったか
  • 無駄に過ごした時間はなかったか
  • 来月の目標稼働時間をどう設定するか

この10分の振り返りが、翌月のスケジュール最適化に直結します。数字で自分を管理する癖がつけば、感覚ではなくデータで改善が回せるようになります。

副業バレが怖い人へ:就業規則は「読む」だけでリスクが激減する

副業の時間確保以前に、「会社にバレたらどうしよう」という不安で動けない人も多いと思います。

実は私も副業1年目に社内SlackでGitHubの通知を間違えて投稿してしまい、副業がバレたことがあります。焦りましたが、人事と話して就業規則を確認したところ、副業は「禁止」ではなく「事前申請制」だと分かりました。正式に申請して許可を取得し、結果的に堂々と副業を続けられる土台ができたんです。

厚生労働省は2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、2022年に改定しています。このガイドラインでは、労働者が副業・兼業を行う場合のルールが明確化されており、多くの企業が「原則容認」の方向に動いています。

バレるリスクに怯えるより、就業規則を確認して正式に許可を取るほうが、時間的にもストレス的にも圧倒的にコストが低い。この事実をまず知ってほしいと思います。

よくある質問(FAQ)

Q1. 副業にはどのくらいの時間を確保すべきですか?

最低でも週10時間を目安にしてください。平日1.5〜2時間×5日で7.5〜10時間が確保でき、土日に3〜4時間追加すれば週13〜14時間になります。ただし、最初の1ヶ月は週5時間程度から始めて、自分のペースを掴むことが大切です。

Q2. 朝型と夜型、どちらが副業に向いていますか?

集中力が必要な作業(コーディング、執筆、デザインなど)は朝に回すのがおすすめです。ただし、完全な夜型の人が無理に朝型にする必要はありません。大切なのは「毎日同じ時間に副業ブロックを固定すること」です。

Q3. 残業が多くて平日に時間が取れません。どうすればいいですか?

残業が月40時間を超えている場合、まず本業の働き方を見直すことが先です。ただし、通勤時間や昼休みの活用で1日30分〜1時間は作れるケースが多いです。また、土日集中型のスケジュールに切り替えて、まずは週末だけで始める方法もあります。

Q4. 副業の労働時間に法的な上限はありますか?

労働基準法上、本業と副業の労働時間は通算されます。原則として1日8時間・週40時間を超える分は割増賃金の対象です。ただし、業務委託契約やフリーランス型の副業であれば、労働時間の通算規定は適用されません。自分の契約形態を確認しましょう。

Q5. 副業を始めて最初の3ヶ月で意識すべきことは?

最初の3ヶ月は「収益」ではなく「習慣化」を最優先にしてください。毎日決まった時間に作業する癖がつけば、3ヶ月後には自然と成果が出始めます。副業の継続率は、最初の90日の習慣形成に大きく左右されます。

まとめ

「副業する時間がない」と感じている人の多くは、実際には時間がないのではなく「時間の使い方を最適化していない」だけです。

  1. まず1週間のタイムログを取り、「なんとなく時間」を可視化する
  2. 朝夜の2ブロック制でスケジュールを固定する
  3. 「やらないことリスト」「トリガー設計」「月末棚卸し」の3つのコツで習慣化する

独立の損益分岐は、副業時代の時間管理がそのまま土台になります。まずは明日の朝、いつもより1時間早く起きて、最初の30分だけ副業に充ててみてください。その30分が、3年後のキャリアを大きく変えるかもしれません。

参考文献

  • 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(2022年改定)
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html
  • 総務省「令和3年社会生活基本調査」
    https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/index.html
  • 厚生労働省「副業・兼業に係る労働時間の通算について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html